Verify(検証する)とValidate(妥当性確認する)
PMBOKガイド第5版が出版されたのは、英文は2012年12月、日本文は2014年1月である。日本文の出版に約1年を要するということは、翻訳作業がいかに労力を要するものかを示すものだろう。ここでは、変更の概要や詳細についてくどくどと述べることはしない。
しかし、Verify(検証する)とValidate(妥当性確認する)については、用語も訳語も
PMBOKガイドを学ぶ上で、大いに気にとめて欲しい用語の一つである。
先ず、英和辞書に当たってみると、以下の様に説明されている。
Verify・・・・ ~が真実であることを証明[立証, 確証]する;〈真実・行為などが〉〈予言・約束などの〉証拠[確証]となる, 実証する
Ex. verify a theory by experiment
Validate・・・ ~の正当性を立証する, 実証[確証]する;~を有効にする
Ex. My passport was validated for five years.
これでは我々一般日本人には違いがよくわからない。
PMBOKガイド第5版に以下の様に名詞形で説明されている。
Verification (検証) プロダクト、サービス、システムなどが規制、要求、仕様、指定された条件などに適合しているかどうかを評価するプロセス。内部プロセスである場合が多い。
Validation(妥当性確認) プロダクト、サービス、システムなどが顧客や特定のステークホルダーのニーズを満たしているということを確認すること。外部顧客による受け入れと適合性に関連することが多い。
とかなりはっきりしてきた。
PMBOKガイド第4版でも同様の説明があるが、Deliverablesを中心にみてみると、
Verify Scope Process(スコープ検証プロセス)は、inputがValidated Deliverables(確認済み要素成果物)となっている。プロセス名の英語の選定もよくなければ、日本語約もよくない。混乱の元であった。
PMBOKガイド第5版では改善をしてきた。
プロセス名称をValidate Scope Process(スコープ妥当性確認プロセス)とし、inputがVerified Deliverables(検証済み成果物)となっている。ぴったりフィットしている。
ところが、PMBOKガイド第4版のITTO Changeを中心にみてみると、
Perform Quality Control Process (品質管理プロセス)のoutputがValidated
Changes(確認済み変更)である。第4版はDeliverablesで混乱をきたしているのでこれは目をつぶる。
ではPMBOKガイド第5版では改善をしてきたか。
Quality Control Process (品質コントロール・プロセス)のoutputがValidated Changes(妥当性確認済み変更)である。「なんだ、このoutput用語は!」
変更の実施状況が品質コントロール・プロセスで品質確認された結果が、妥当性確認済みなのか。外部顧客による受け入れと適合性に関連していないのに、Validated (妥当性確認済み)を使用するのか。
「変更要求」から始まった「変更の検証」は品質コントロール・プロセスで一旦完了し、最後にプロジェクト又はフェーズのDeliverables(成果物)として妥当性確認をするということらしい。
成るほど、Verify(検証する)とValidate(妥当性確認する)については、用語も訳語も
PMBOKガイドを学ぶ上で、大いに気にとめて欲しい用語の一つである。
以上
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